双子2組のお父ちゃんが語る☆発達障害の娘を持つ親として。幼児期より。

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自分の子供に発達の遅れを感じた時、
ほとんどの親は認めたくないと思います。

もちろん成長には個人差がありますから、
今はできなくても、いずれ追いつくだろう
と考えるのは普通のことです。

ちょっと遅れているからといって
心配し過ぎたり、一喜一憂するのことは
親自身の気持ちを追い込んでしまい、
いっぱいっぱいになるのでよくありません。

しかしもう一方で、子供の遅れの原因を知り
対処する術があるなら早い方が良いのです。

遅れを認めたくないという親の気持ちが、
発達の障害に気づくのを遅らせてしまうのは
その子のためになりません。

この点について、私の反省を踏まえながら
お話ししていきたいと思います。

身体障碍者手帳一級の驚き!

とっても小さく生まれた次女に、
発達の遅れがあるのはあきらかでした。
話し出すのも、動き出すのも、歩くのも
一般的な子供より、かなり遅く。
一緒に生まれた一卵性の姉よりも
全部が1年くらい遅れていたのです。

しかし、そんな次女に対して私たち夫婦は、
特に何かをしていかなければならない
という考えがありませんでした。

一つの理由としては、声門下狭窄症
酸素の管が完全に外れるようになったのが
2歳を過ぎてからだったので、それまでは
息が苦しくはないか、という事ばかりに
気がいっていたからだと思います。

実際に、しょっちゅう息が苦しそうになり
夜中に救急で病院に行っていました。
多い時には一週間に一回くらいは救急に
駆けつけていたのです。

そして、もう一つの理由は、
双子の姉である長女の、成長している姿。
その後を次女も、ゆっくりとでしたが
追いかけている。いずれ追いつくだろう
という気持ちがあったのです。

そしてさらには、
発達の遅れに対する手立てがあることを
知らなかったというのが一番の理由です。
どうしたらよいか分からなかったのです。

その頃の私たちは、月に一度、
子供達を取り上げてもらった市立札幌病院に
定期健診に行っていました。
3歳の誕生日を迎える頃の検診で担当医から
「白質軟化症もあるので…」ということで
発達を専門に診る病院を紹介されたのです。

その病院は「コドモックル」と言い、
北海道立子ども総合医療・療育センター
https://kodomo.hospital.hokkaido.jp/
という病院でした。

さっそく診察してもらうと、
「片方の足がつま先だけで歩いているので
 脳性マヒが出ているのでしょう。
 かかとをしっかり着いて歩くことによって
 刺激により成長が促されるので
 リハビリを続けていった方が良いですよ」
と言われたのです。

そしてさらに、
「今は情緒を育てる上でも、
 身体が固まってしまう前にという上でも
 大切な時期なので、ひと月の親子入院を
 した方がいいです」
と話されたのでした。

その時、妻は下の子達を妊娠していました。
そして双子の姉もいました。
とにかく娘のためにできる限りと考え、
私が次女と親子入院することにしたのです。

ひと月の間、一緒に入院しながら、
リハビリの仕方を覚えたり、
いろいろな検査をしてもらいました。
脳性マヒによって四肢に硬直があることや
あきらかな発達の遅れが分かりました。

そして、退院の時には驚くことに
身体障碍者手帳一級の診断が出ていました。
そんなに酷いとは考えていなかったので、
大きなショックを受けました。そして、
もっと早くに何かしてあげられることが
あったのではないかと反省したのです。

公共のサービスを受けながら

コドモックルの親子入院から退院後、
発達の遅れている子供に対して、
さまざまな公共のサービスがあることを
教えてもらいました。
いくつか紹介したいと思います。

一つめは、
訪問のリハビリを受けることが出来ます。
コドモックルは全道各地から通ってくるので
リハビリもなかなか予約が取れません。
そこで、地域の病院が持っているリハビリの
施設から作業療法士さんや理学療法士さんが
来てくれてリハビリをしてくれるのです。

費用は地方自治体によってですが、
札幌市の場合は支払う上限が決まっていて
それ以上の分は市が助成してくれます。
それプラス、自宅までの交通費です。

その子の症状に合わせたプログラムで、
マンツーマンで見てくれるので、
とても頼りになる存在です。
また、発達障害を持つ子供は、大人に対して
すぐには慣れことができません。
週に一回、顔を合わせるという安心感で
リハビリもスムーズにいくようです。

つめは、
デイサービスを利用することができます。
デイサービスと一口に言っても、
いろいろな種類があり、
大きく分けると3つあります。

1.療育を行っている施設
それぞれの障害の特性に合わせて、
行動やコミニケーションなどの療育に向け
プログラムを組んで子供を見てくれます。
音楽などを取り入れた施設もありました。

2.何かを学ぶための施設
宿題や勉強を見てくれる施設や、
器械体操などスポーツを学ぶ施設。
さらには、楽器や書道、絵画など、
習い事のようなデイサービスです。

3.学童保育のような施設
決まったプログラムが無く、
自由に過ごすといったスタイルで、
宿題をしたり遊んだりとそれぞれです。
預かってくれるデイサービスでしょうか。

ほとんどの施設が送迎付きなんです。
費用も地方自治体から助成されて
おやつ代くらいしかかかりません。
ありがたいサービスです。

家の次女の場合は、発達障害のによる
社会性やコミニケーション能力を
伸ばすことができたらと思い、
療育型の施設を探しました。
人気の施設はいっぱいのところが多く、
なかなか希望の所には入れません。
多くの子がこういう施設を必要としている
という現実に驚かされました。

結局、近くのデイサービースで空きが出て
利用することができました。
しかしデイサービースに行くことが決まると
「この子が一人で行けるかな」
「まだ早いんじゃないかな」
という気持ちも浮かんでくるのです。

発達障害を持つ子は、初めてのことや
予定にないことが起きてくるとパニックに
なる子も多いようです。
うちの子も多分に漏れず、そのタイプ。
通えるかどうかが心配でした。

最初のうちは、無理やりのように引き離され
連れて行ってもらいましたが、
日を重ねるごとに慣れてきて、
帰ってきた時に楽しかったと言った時には
少し成長した姿を見ることができました。

また、これまでは家で過ごすことが多く、
親から離れてという経験をさせることが
なかなかできませんでしたが、
デイサービスに行くことによって、
親と離れて過ごす経験ができたことは
大きな事だと感じます。

三つめは、
発達障害者支援センターが都道府県にあり、
そこに様々なことを相談できるのです。

発達障害の子を持つ経験は
誰にでもあるわけではありません。
自分の子供に心配な点があっても、
誰に相談してよいのか分からないというのが
最初に現れてくる問題なのです。

発達検査を受けるにはどうしたらよいのか?
デイサービスの利用の仕方。
公共サービスの受け方など、
聞きたいことはたくさんあります。
まずは相談する窓口を知ることが大切です。

このように公共のサービスをあげましたが、
知らなければ利用することはできません。
向こうの方から積極的に言ってきてくれる
というものではないのです。
こちらが動いて、初めて受けられます。

発達障害の子には生きづらさがあります。
苦手なことも多いのです。
これは決して我がままではありません。
人より過敏なところがあったり、
身体が自由にならないことがあったり、
心が自分では抑えきれないことがあったりと
自分ではどうにもならないのです。

それに少しでも早く気づいてあげて、
公共のサービスを利用しながら訓練する。
家族も学び、ケアをする。
生きづらさを緩和していけたらと思います。
心も体も、小さいうちからが大切なのです。

発達障害による入園の壁。

世の中では、待機児童が大きな問題
と騒がれております。
札幌でも私たちが住む地域は、
第5希望まで記入をして区役所に出します。
それでも決まらないというのが現実です。

とくに家のように双子を同じ所にと思うと、
1人の空きが出ても他の子が入ります。
2人いっきに空くことなどないのです。

3歳半になる頃から保育所に入れたいと思い
区役所に希望を出しました。
家の近くのところはいっぱいで、
少し離れた所を紹介されました。
それでもと思い見学に行くと、ほとんどが、
「発達の遅れがある子は受けられない」
との答えが返ってきました。

理由としては、スタッフの人数が少なく
細やかなところに目が届かない。
もしものことがあったら大変なので、
ということでした。

発達障害があるということは、
こういうことなんだ。
と現実をまざまざと突きつけられました。
これからも、その現実を受け止めながら
生きていかなければならないんだと、
つくづく感じさせられた出来事でした。

どうしようか。もう無理なのかな。
そんなことを思っていたところに、
市立幼稚園の入園募集が聞こえてきました。
藁にもすがる思いで応募し、抽選を通過して
入園することができたのです。
とても大きな喜びでした。

そこで出会った先生も素晴らしい方でした。
発達が遅れているならなおのこと、
団体生活の中で学んだ方が良いですよ。
必ず伸びてくると思います。
と話してくれました。

そして、支援の教諭として娘に付いて下さり
その先生を通して、親以外の人間関係の
関わり方を娘に教えてくれました。

妻も最初の数か月は、付き添っていました。
担当の先生にいろいろなことを相談しながら
娘を引き継いだのです。
周りの子は、妻がずっといる大人なので、
「先生」と呼んでいたそうです(^^)

保育園には入ることはできませんでしたが、
そのおかげで、素晴らしい先生と出会い、
娘たちの成長の上で大きな経験をさせて
もらうことができました。

その縁から、下の双子も同じ幼稚園に
入園させてもらい、長い付き合いを
させてもらうことができました。

発達障害の娘を持つ親として。

子育てをするうえで、子供の発達が気になり
この子は人とくらべて遅れているのでは?
と心配し過ぎるのもよくありません。
親の気持ちが余計なことで疲弊します。
大概のことは個人差があり、成長の過程で
追いついていくものです。

しかし、もう一方で、
何らかの原因があって発達障害だったなら
少しでも早く周りの環境を整えてあげると
その子のために良いのです。
親も知らずに向き合うよりも、
知って向き合う方が気持ちが楽です。

見極めは難しいかもしれませんが、
おかしいなと思ったら、一人で悩まずに
支援センターに相談するとよいでしょう。
発達検査をけるのも良いかもしれません。

発達障害を持つ次女はよく、
「心配してくれてありがとう」と言います。
私に心を配ってくれてありがとうなんです。
次女の心の清らかさに、元気づけられます。
他の娘たちも、思いやりのある優しい子に
育ってくれています。

発達障害の子を育てる親は、
普通では考えなくてもよいことも考えます。
普通ではしなくてよいこともします。
普通より大変なこともあると思います。

しかし普通では味わえない喜びがあります。
普通では感じられない感動があるのです。
この娘がいてくれて本当に幸せです。

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