双子2組のお父ちゃんが語る☆双胎間輸血症候群をのりこえ!症状と治療

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双胎間輸血症候群。
誰もが聞くような病名ではないですね。
Twin-twin transfusion syndrome
と表記されるので、
TTTSという方もいます。

これは、一卵性の双子にだけ起こりうる、
胎児の時の症状です。

一卵性の双子は、60%~70%が
一絨毛膜の膜性です。
これは、胎盤が一つでそこからへその緒が
それぞれの胎児につながっている状態です。

その膜性の10%に双胎間輸血症候群が
おこるといわれているのです。
一卵性の双子を妊娠したら、
100件に6~7件おこるということです。

双胎間輸血症候群とは、どんな症状?

双胎間輸血症候群とは、
一つの胎盤を共有している双子は、
胎盤の中で血液の行き来があります。
その血流が、何らかの原因で片方にかたよる
という症状です。

1人は羊水が多すぎる状態となり、
高血圧や心不全などをひきおこします。
もう1人は羊水が少なすぎる状態となり、
成長が妨げられます。
どちらも治療をしなければ、
胎児死亡の確率が高いといわれます。

うちの場合は、上の双子が一卵性で、
6か月の検診の時にTTTSと診断されました。
即、管理入院で経過観察です。

小さい方の胎児も成長が心配だが、
大きい方の胎児も心臓に負担がかかる。
その上で、方法を考えていくのです。

さらに、胎児の一人が死亡した場合、
急激な血液の流れがおこり、
もう一人も死亡や脳障害がおこるのです。

医師の説明によると、
「28週を越える出産であれば、
 生まれた後も、比較的あんしんです。」
「赤ちゃんの成長を見ながら、少しでも長く
 お腹の中で育つことを考えましょう」
とのこと、
「なんとか28週まで頑張りたい!」
と意気込む妻でした。

頑張りたいといっても…
と、お父ちゃんは思うのですが、
できることは励ますことと祈ることだけ(^^)
1日1日のせめぎ合いです。

あとになって調べてみると、
☆一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)の時、
 ・28週未満の分娩の場合、
  新生児死亡 41.9%、後障害 6.5%。
 ・28週~31週の分娩の場合、
  新生児死亡 8.7%、後障害 14.5%。
 ・32週以降の分娩の場合、
  新生児死亡 0.9%、後障害 0.6%。
 となっていました。

一日でも長くお母さんのお腹の中で
育つことが大切なのですね。

双胎間輸血症候群の治療

双胎間輸血症候群の治療は3つです。
1、待機療法(経過観察)
2、羊水吸引除去術
3、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術

それぞれの治療法を見ていくと…

1、待機療法
エコー検査による胎児の観察をしながら、
流産や早産予防を点滴などでする方法です。
TTTS の症状が改善するというよりも、
様子を見ながら分娩のタイミングを
見極めていくというものですね。

赤ちゃんの生れる週数によって、
救命率や後遺症の頻度が違ってきます。

2、羊水吸引除去術
お母さんのお腹から子宮に針を通して、
羊水を吸引する方法です。
羊水のバランスをとって、少しでも長く
お腹の中で育つようにするというものです。

しかし1度吸引しても、また貯まり
何回も治療をしなければならないケースが
多いようです。
その度に破水のリスクが高まります。
胎児の生存率は50~60%です。

3、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術
レーザー光線で胎児の間の血管を遮断して、
血液の流れを止める方法です。
血流のバランスをよくする、根本的な
治療と言えるでしょう。

1児が生存する確率が70~80%
2児とも生存する確率が40%前後
ということです。

私たちは、どの治療を選択するべきか
分かりませんでした。
レーザー治療をするなら26週未満で
なければなりません。
タイムリミットが迫っていたのです。

また、レーザー治療をできる病院は、
北海道で一つだけ。
病院を移って手術を受けなければ
ならなかったのです。

さらに、レーザの手術は保険適用外で
50万円程を全額自己負担なのです。
もちろん、お金には代えられませんが
相当、考えました。

1週間の経過観察のあと、医師から
「それほど体重差が広がっていないので
 さらに経過を見ていきましょう」
とのことでした。

お父ちゃんも
「ここまで何とか来れたのだから、
 あとは神様にまかせよう」
と話し、
妻も
「良いタイミングで、帝王切開で産ませて
 もらいます」
と言ってくれていました。

次の週にエコー検査をしたところ、医師から
「よし、あした産みましょう!」
と言われました。
妻も「28週!」
とは言わず(笑) 「はい」と答えました。
結果として、
27週と1日での出産となったのです。

次の日、出産のあと医師から
「今で良かったです」
「小さい方の赤ちゃんにつながっていた
 へその緒が、切れそうになっていました
 もう少し遅かったら、
 ダメだったかもしれません」
ということでした。

NICUの医師からも、
「本当に良いタイミングでの出産でしたね
 タイミングは、それぞれですから」
と言ってもらったことを覚えています。

お陰さまで、2人とも小さくはありましたが
生きてこの世に生まれることができました。
今、思い出しても
感謝、感謝の思いでいっぱいです。

現在は…

現在は2人とも元気に育ってくれています。
妹の方は「白質軟化症」と診断され、
片方の脳の委縮がみられました。
双胎間輸血症候群の後遺症かもしれません。

現在、軽度の脳性マヒがあると言われ、
自閉症や発達障害とも言われています。
感情のコントロールも難しいようです。

しかし、とても優しく思いやりがあり、
家族の人気者です。
双子の姉も、妹をとても思い、
妹お通して心を育ててもらっています。

あの時、ギリギリのところで
二人とも生きていてくれて良かったな。
生まれてきてくれて、ありがとう。
そう、改めて感じるのです。

お父ちゃんも、子供たちの姿お通して
育ててもらっています(^ ^)
ありがとう。

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